かわいいワンコを家族の一員として送り出し
最後まで逃げずに向き合うこと。
それが私なりの“幸せのお裾分け”。
STORY 01
松嶋さんがブリーダーを始められたきっかけは?
もともと、ブリーダーになるつもりはなかったんですよ。ただただチワワが大好きで、頻繁にチワワの飼い主のオフ会に参加していましたね。飼っていた子が心配で仕事中もそわそわしちゃうから、退職したくらいワンコにハマっちゃって(笑)。
仕事を辞めてまで!? そもそも、なぜチワワを飼い始めたのですか?
かつてミニチュア・ダックスフンドを飼っていたんですが、亡くなってしまって、一時期ワンコとは距離を置いていたんです。それから数年経って、やっぱりワンコと暮らしたいと思って、ミニチュア・ダックスフンドのブリーダーさんを訪ねました。
その犬舎のミニチュア・ダックスフンドの中に、1匹だけ、白いわたあめみたいなほわほわした子がいたんです。その子がロングコートチワワで、すごくかわいくて。家族に「この子がいい」って伝えたら、主人も娘も「この子がいいと思ってた」って意見が一致したので、迎えることになりました。
偶然の出会いで、チワワにハマったのですね。なぜ、そこからブリーダーに?
1匹飼い始めてから、そのかわいらしさの虜になって、2匹、3匹と増えていったんです。4匹目に皇志(おうじ)という、小さくてかわいい男の子と出会い、「ドッグショーで評価される子だよ」って言われて、ドッグショーに出場するようになりました。
皇志はショーではなかなか勝てなかったんですが、「お婿さんに来てほしい」って方が多かったんですよ。ある日、ブリーダーの方から「皇志と交配させてください」という依頼が来て、プロの方が言うならと思って交配させてみたら、かわいい子が産まれたんです。その子ども達を見て、私もやってみようかなって。
皇志くんのおかげで、チワワとの関わり方に幅が出てきたのですね。
そうですね。初めて自分で皇志を交配させた時も、すごくかわいい子が3匹産まれたんです。その子達に三英傑の名前をつけたことから、犬舎名を「ショーグンキッズ」にしました。徐々に「皇志の子が欲しい」と言われることが増えていって、そのまま続けてきて、今に至るという感じですね。
STORY 02
ブリーダーを始めた頃は、大変だったのでは?
実は、私が「ブリーダーになりたい」って告げた時、主人は大反対だったんです。命を扱う仕事は楽しいばかりではなくて、辛いこともたくさんあることを、危惧したのでしょうね。なんとか説得したら、主人が「俺がダーティな部分を全部引き受けるから、やってみろ」って言ってくれました。
旦那さんのおっしゃられた「ダーティな部分」とは?
命を生むだけでなく、“死”に向き合うということ。産まれてきても、すぐに亡くなってしまう子がいます。そういう現実の部分ですね。
ブリーダーを始めて二度目の出産で、母犬を失くしたことがあるんです。その時に、私はこんな重い仕事はできない、って思いました。でも、大先輩のブリーダーさんが、「ワンコが亡くなっても平気な人に、命は預けられない。あなただからできるのよ」って言ってくださったんです。
旦那さんも先輩ブリーダーさんも、ステキな言葉をかけてくれますね。
ありがたいです。壁にぶつかっても、助言してくれる人、支えてくれる人がそばにいてくれるので、頑張ろうって思えるんですよね。
そこからブリーダーを続けて、大変なことも多かったのですが、私は1つの命も無駄にしたくないから、できる限り育てようと思って、いままでやってきました。
今年7月に産まれたららちゃんベビー達も、血流障害などもあり、ギリギリの状態だったと、Instagramに投稿していましたよね。
ママのららちゃんを酸素室に入れなきゃいけなくて、ベビー達は人間が面倒を見る必要があったので、私と主人でほぼ24時間お世話してましたね。産後3週間くらいかな。
赤ちゃんの哺乳を、その時の体調に合わせてカテーテルやシリンジで行ったり、大変でしたね。すぐ血色が悪くなったり、低体温になったりして、諦めそうになることもありました。でも、産まれてきた命だから、全うしてほしいんですよね。
ららちゃんベビーは3匹ともすくすく成長しているようで、ホッとしました。ブリーダー業には、命を扱う重みや悲しみが伴うのだと、改めて実感します。
ベビーが亡くなってしまったら、私はそのこともSNSに書きますね。「なんで書いたの?」って聞かれるんですが、その子が産まれてきたことを覚えていてほしいんです。
ブリーダーになる時に誓ったこと
STORY 03
辛い経験を経てなお、ブリーダーを続けている理由は?
私は母性愛が強いので、出産に立ち会うことも、ママと一緒にこどもを育てることも、大好きなんです! ブリーダーは楽しくてしょうがない!
そして、何よりもお客様が喜んでくれることが、私にとっても一番の喜びです。ワンコを迎えてくださった皆さん、「この子を迎えて幸せになった」って言ってくださるんですよ。「ワンコが来てから、家族と一緒に出かけることも増えて、生活が変わった」って。
家族にとって、とても幸せな変化ですね。
そうですよね。最近はあまりできていないのですが、以前はうちの子を譲った飼い主さん達に声をかけて、大きなファミリー会を年2回くらい開いていました。何をやるにも人間関係は大切だから、つながっていたいんですよね。
飼い主さんとも連絡を取り合っているんですね。ブリーダーさんが身近な存在だと、ワンコとの生活も安心して送れそうです。
そうだと思います。
私が飼い主さんだったら、チワワに何かいつもと違う変化があったら、「もしかして病気なのかな?」と不安になって、やっぱりブリーダーさんに相談したくなると思うんです。
補償して欲しいとかではなくて、相談にのって欲しい。
だから、そんな相談できるブリーダーさんが良いなと。
病気のことって素人には判断できないじゃないですか。だから、私はブリーダーを始める時に、ワンコや飼い主さんから逃げることだけは絶対にやめよう。お渡しした後もちゃんと飼い主さんをフォローしよう、と誓ったんです。
私自身、たくさんの周囲の助けがあったから、今こうして大好きなチワワと一緒に、幸せに過ごせています。飼い主の皆さんに“幸せのお裾分け”をさせてもらっている、という気持ちです。
STORY 04
松嶋さんが、たくさんの方から信頼されている理由がわかった気がします。最後になりますが、これからワンコを迎える家族にメッセージを。
コロナ禍で家にいる時間が増えて、ワンコを飼い始めたものの、やっぱり大変だからと手放す人が多いという話を聞きました。そういった安易な気持ちでワンコを迎えることは、やめてほしいですね。
家族の一員として迎えて、良き相棒になってほしいです。ワンコは、人の相棒になることができる動物ですから。どうしても手放さなければいけない理由がある時は、それぞれのブリーダーさんに連絡してほしいですが、そうでなければ、家族として大切に育ててほしいなって思います。
最後まで愛嬌たっぷりにサービスしてくれた、アイドルフェイスのこのはちゃん。
たくさんなでなでさせてくれためぐちゃん。
現在、飼い主さんを募集中のワンコはいません。
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